2008 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的脳機能画像法を用いた咀嚼運動時のヒト脳機能の解明
Project/Area Number |
08J09861
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮本 順 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 咀嚼 / 口腔 / fMRI |
Research Abstract |
咀嚼運動は、歯、口唇、舌、顎などの様々な器官が協調して遂行される。そのため、そのどの機能が欠如しても、咀嚼運動の遂行に支障をきたす。近年歯の喪失がアルツハイマー型痴呆の危険因子となることが指摘されているが、これは咀嚼運動の機能障害に起因する可能性を否定できない。そこで本研究の目的は、咀嚼運動の遂行に必要不可欠である顎顔面領域に存在する末梢器官の中でも、特に歯(歯根膜)からの感覚情報が、どのように高次機能制御器官としてのヒト大脳皮質に影響を与えるかを、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)を用いて解明することである。 咀嚼運動時におけるヒト大脳皮質賦活部位についてfMRIを用いて調べた先行研究は、咀嚼運動中の咬合力測定を行っていないため、規定された一定の条件下で実験を行っているとはいえない。よって、本研究を行う際はまず、MR環境下で使用できる咀嚼運動時のリアルタイム咬合力計測装置の開発が必要となる。その後、開発した装置を応用して、fMRIを用いた研究を行う予定である。 今年度は、この装置の開発を行ってきた。咬合力計測装置に必要とされる要件として、1)MR環境下で使用できる(非磁性体であること)、2)リアルタイムに咬合力が計測でき、3)咬合力を被験者にフィードバックできる、の3点があげられる。さらに、非常に狭いMRカントリー内で使用でき、さらに口腔内での測定が可能であり、また、非常に大きな力が発揮される咬合力の測定範囲を満たすことが、咬合力計測装置に必須の条件となる。しかしながら、以上のことを同時に達成することは未だ成功していない。当初計画していた圧力を計測するという設計に加え、力を計測するという異なる設計も用い、今後も引き続き咬合力計測装置の開発を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)