2009 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的脳機能画像法を用いた咀嚼運動時のヒト脳機能の解明
Project/Area Number |
08J09861
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮本 順 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 咀嚼 / 口腔 / fMRI |
Research Abstract |
本研究の目的は、咀嚼運動時のヒト脳機能を、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonancei imaging : fMRI)を用いて解明することである。先行研究においては、MR環境下という特殊な実験環境に制限され、咀嚼運動中の咬合力測定を行っていなかった。よって本研究を行う際は、まずMR環境下で使用できる咀嚼運動時のリアルタイム咬合力計測装置の開発が必要となると考えられたため、今年度も咬合力計測装置の開発を行ってきた。非磁性体金属を用いて装置本体を作製し、現在は口腔内に安定して装着できる方法を検討中である。この方法が確立された場合、咬合力を任意に設定するのではなく客観的に規定することができ、一定の条件下でデータを採得することが可能となるため、変動するパラメータを減らし、結果の解釈に主観的要素が介入することを防げるという意義がある。 また、咀嚼運動以外の運動制御におけるヒト大脳皮質の役割を調べた先行研究においては、fMRIと筋電図の同時計測を行っているものが数多く見られる。しかしながら、咀嚼運動において同時計測を行った研究は皆無である。この方法は、咀嚼運動により発揮された力を客観的に評価できる方法のひとつであるため、咬合力測定装置の開発と共に検討すべき事項である。そこで、「咬合力依存性の大脳皮質賦活部位の検索」および「前歯/臼歯部咬合の違いによる咀嚼運動時の神経機構の同定」という2つテーマについて、fMRIと筋電図の同時計測による実験をセットアップし、遂行してきた。筋電図は左右側頭筋および咬筋を測定し、データ処理として全波整流の後積分値を求め、それをパラメータとして脳賦活部位の解析を行った。今後も引き続き、被験者数を増加し解析を進める予定である。
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Research Products
(5 results)