2009 Fiscal Year Annual Research Report
統計物理学の手法を利用した、経済主体のインタラクションを陽に入れた理論の構築
Project/Area Number |
08J09917
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
紺野 友彦 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ネットワーク / 進化ゲーム / 協力行動 |
Research Abstract |
ネットワーク構造を持つモデルを考え、そのネットワークがモデルの結果にどのように影響するかを複数の研究を通して調べた。具体的な研究は以下に列挙した通りである。ネットワーク構造がエージェント間の協力行動にどう影響するかを調べた。囚人のジレンマの状況がある時にネットワークが協力行動を促進する条件を数学的に明らかにし、数値計算でその正当性を確かめた。どのようなネットワークが協力行動を促進し、逆にどのようなネットワークが協力行動を抑制するかを明らかにした。ネットワーク構造が社会的な学習にどのように影響を与えるかを数学的に明らかにした。どのようなネットワーク構造が社会的学習を高めるかを明らかにし、その理由も調べた。ネットワーク構造が企業間競争にどのような影響を与えるかを数学的に調べた。特にスケールフリーネットワーク上だと非自明で面白い結果が生まれることが明らかになった。TFPのスピルオーバーとネットワーク構造との関連を数学的に調べた。スピルオーバー効果を表す数学的表現を導入し、それを解析的に解いた。その数学的な結果が幾つかの非自明な性質を持つことが明らかになった。その結果を具体的に応用したモデルを通してどのようなネットワーク構造が成長率を高めるのかを明らかにした。ネットワーク上の協調ゲームを調べ、ネットワーク構造がどのように結果に影響を与えるのかを研究した。その結果スケールフリーネットワーク上だと常に協力行動が生まれ、厚生が高まることなどが明らかになった。
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