2008 Fiscal Year Annual Research Report
アプリケーションの多様な要求を考慮したネットワーク特性収集方式の研究
Project/Area Number |
08J09920
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
益井 賢次 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | インターネット技術 / ネットワーク計測 / 分散システム / 協調計測 / アプリケーション指向のネットワーク計測基盤 / オーバレイネットワーク / ネットワークトポロジ / 往復遅延時間 |
Research Abstract |
本研究課題では、インターネットのエンドノード上で動作するアプリケーションの処理の自由度を向上させる「アプリケーション指向のネットワーク計測基盤(Application-Oriented Measurement Platform;AOMP)」の実用化に向け、多方面からのシステム性能評価とそれに基づくアーキテクチャの改良を行う。AOMPとは、インターネット広域に分散した複数のノードが協調してネットワーク計測活動を行い、計測した情報をネットワークアプリケーションに提供するようなサービスおよびそれを実現するフレームワークを指す。 当該期間では主に、現状のAOMPの実装がどの程度のタイムスケールで情報を収集し、アプリケーションにその情報を提供できるかについて、調査・検討した。成果として、AOMPの一実装であるN-TAPについて、システム構成と情報収集速度の相関、およびそれがAOMPの実展開にもたらす影響についてまとめた論文を論文日誌に投稿した。また、単なる性能計測にとどまらず、実際にN-TAPを利用してインターネット広域の往復遅延時間などのネットワーク特性を動的に可視化するソフトウェアAstrolabeの開発を進めた。これは、AOMPを利用したアプリケーションの実例を示すことに加え、現在のAOMPの問題点を実環境上で検証するための材料が得られるという点で意義深い。Astrolabeは2008年8月に行われるACM SIGCOMM 2008においてデモ展示される。さらに、AOMPの動作タイムスケールの知見から、AOMP上での実装が実現可能と想定される計測手法として、IPトポロジ探索におけるノード検出回数に基づくトポロジ特性の推定手法を提案し、実際のトポロジ探索結果にその手法を適用したところ、トポロジの特性と検出回数に一定の相関が存在する可能性があることを示唆できた。
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Research Products
(1 results)