2009 Fiscal Year Annual Research Report
原子気体ボース・アインシュタイン凝縮を用いた磁気共鳴現象と宇宙物理の研究
Project/Area Number |
08J09928
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
安永 昌司 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 原子気体ボース・アインシュタイン凝縮 / 磁気共鳴現象 / ジョセフソン効果 |
Research Abstract |
本年度は、「研究の目的」の一つである、スピン内部自由度のある原子気体ボース・アインシュタイン凝縮(BEC)における磁気共鳴現象を中心にジョセフソン効果の研究を精力的に行った。 まず、磁気共鳴現象の一つであるラビ振動から、超伝導接合系固有の現象であるジョセフソン振動への遷移を、グロス・ピタエフスキー方程式を数値的に計算する事より求めた。この研究は、磁気共鳴現象とジョセフソン効果を関連させる、原子気体では初めての試みだと言える。この結果は4月での特定領域「スーパークリーンで実現する新たな量子相」A0304班合同研究会で口頭発表し、8月での国際会議「QFS2009」においてポスター発表を行った。そして、論文としてJournal of Low Temperatureに掲載された。 また、磁気共鳴現象の中でも強磁性共鳴を、磁気双極子双極子相互作用を考慮したBECで求め、9月で行われた特定領域の若手秋の学校でポスター発表を行った。これは、BECでの磁気共鳴現象の応用として、実際に観測できるだろうと期待している。 そして、双極子相互作用を考慮したBECでのジョセフソン効果を、相互作用する二つの振り子と見なして解析を行い、新たなジョセフソン振動モードを得た。これは、日本物理学会第65回年次大会で口頭発表し、また、このBECにおける特有の現象としてジョセフソン効果に新たな知見を与えるものとして、Physical Review Aに掲載された。 これらの研究はおおよそ「研究実施計画」通りに進んだ。そして、それ以上の結果として、二つの振り子とみなせるジョセフソン効果を得られた事は非常に大きな進展と言える。
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Research Products
(5 results)