2010 Fiscal Year Annual Research Report
原子気体ボース・アインシュタイン凝縮を用いた磁気共鳴現象と宇宙物理の研究
Project/Area Number |
08J09928
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
安永 昌司 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 原子気体ボース・アインシュタイン凝縮 / 磁気共鳴現象 / ジョセフソン効果 |
Research Abstract |
本年度も、「研究の目的」の一つである、スピン内部自由度のある原子気体ボース・アインシュタイン凝縮体(スピノールBEC)における磁気共鳴現象を中心にジョセフソン効果の研究を精力的に行った。 今年度の前半は、双極子相互作用をもつスピノールBECでの、ジョセフソン効果の解析的研究を去年度より引き続き行った。去年度の研究成果である、2つの振り子の運動とみなせるジョセフソン効果に対して、磁場を加えることにより、古典物理学におけるカオスとみなせるダイナミクスを発見した。これは多自由度を持つ、スピノールBEC特有の現象だと言える。ジョセフソン効果自体が、キブル・ズレック機構に代表される、宇宙の相転移に関連する普遍的な物理なのだが、この研究により、さらに古典カオスとの関連性を見いだした。この結果は、8月における国際会議「QFS2010」においてポスター発表として報告された。また、論文としてJournal of Low Temperature Physicsに掲載された。 今年度の後半は、双極子相互作用を持つスピノールBECにおける磁気共鳴現象の中でも、強磁性共鳴とスピン流体の関連性を研究した。まず、上記BECの運動を記述するグロス・ピタエフスキー方程式より、強磁性共鳴を記述するキッテル方程式に類似した方程式を導出した。この方程式は強磁性共鳴に加え、スピン流体としての特徴を記述することを、簡単な解析と数値計算を用いて示した。これにより、スピン流体における磁気共鳴現象を発見し、原子気体BECの分野に新たな知見を与えた。この研究成果は、日本物理学会秋季大会での口頭発表や、Physical Review Aでの論文として報告された。 これらの研究は概ね「研究実施計画」通りに進んだ。それ以上に、宇宙や古典カオスに関連する物理として、ジョセフソン効果の研究が進展した事は大きな成果である。
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Research Products
(4 results)