2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10008
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
泉 尚吾 熊本大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 耐食性 / マグネシウム / 急速凝固 |
Research Abstract |
本研究は、「高耐食性急速凝固マグネシウム合金の創製」をテーマに、1.急速凝固法を用いた合金内部組織の制御による高強度・高耐食Mg合金の開発及び2.急速凝固Mg合金に適した表面処理技術の開発を目的としている。 1.高耐食急速凝固マグネシウム合金の開発:高強度Mg-Zn-Y合金系に対して、高い耐食性が発現する合金成分の調査,耐食性に及ぼす合金作製時の冷却速度の影響の調査および合金の腐食挙動の解明を行った結果、高強度・高耐食急速凝固マグネシウム合金の開発に成功すると共に、合金作製時の冷却速度を制御することで優れた耐食性を有するマグネシウム合金の開発が可能であることがわかった。さらに、優れた耐食性を示す合金の表面には均一な皮膜が形成していることがわかった。 2.表面処理技術の開発:耐食性の低い工業用純Mg金属(純度99.9%)及び商用Mg合金を飽和Mg(OH)_2水溶液に数分間浸漬した後パルスレーザーを照射することで、均質かつ耐食性の高いMgO皮膜の形成に成功した。パルスレーザーという比較的出力の低いレーザーを照射させることで、金属内部組織に熱影響を与えることなくアルカリ溶液浸漬処理で形成したMg(OH)_2前駆体皮膜をMgO保護皮膜に改質することが可能であった。 以上のように、新規高耐食性急速凝固マグネシウム合金の作製に成功したとともに、急速凝固マグネシウム合金に適した表面処理技術に成功したことで、マグネシウム合金の用途拡大につながることが示唆される。
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Research Products
(5 results)