2009 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障における病態発症機構の解明とその治療薬の開発
Project/Area Number |
08J10030
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
井口 勇太 Gifu Pharmaceutical University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 緑内障 / 網膜神経保護 / 網膜神経節細胞 / カルパイン / 薬物送達 / リポソーム |
Research Abstract |
眼圧下降が主な緑内障治療において、眼圧下降だけでは十分に効果が得られないことから、網膜神経保護作用を有する薬剤または新たな治療法が求められている。以前の研究より、網膜細胞障害時における細胞内へのカルシウムイオン過剰流入による細胞死のメカニズムを明らかにしてきた。本研究ではカルシウムイオンの流入により活性化し細胞死を促進する因子であるカルパインの網膜障害への関与、並びにその阻害剤によって網膜障害が軽減するか否かについて検討を行った。 またこれまでに脂質分散系(リボソーム)が薬物の眼内送達キャリアとなり得ることを報告してきた。今回は粒子物性の異なるリポソーム及びリピッドエマルションを調製し、その眼内粒子挙動と粒子物性の関係を検討した。また、薬物の眼内送達において主要なバリアーとなる結膜の培養細胞を用いて、調製した粒子と細胞との相互作用を評価した。 1.網膜障害におけるカルパインの関与並びにその阻害剤の作用 ・N-methyl-D-aspartate(NMDA)硝子体内投与による網膜障害時におけるカルパインの活性化が認められた。 ・カルパインの阻害剤はNMDAによる細胞死に対して濃度依存的な保護効果を示した。 2.リポソーム製剤の眼内挙動とその粒子物性の関係 ・マウスに点眼投与して眼内粒子挙動を評価した結果、その挙動は粒子径および原子間力顕微鏡にて評価した粒子特性に強く影響されることが明らかとなった。 ・粒子を硝子体内投与した場合も、粒子の表面特性に影響を受け網膜に集積しやすいことも明らかとなった。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] A novel calpain inhibitor,((1S)-1-((((1S)-1-benzyl-3-cyclopropylamino-2, 3-di-oxopropyl)amino)carbonyl)-3-methylbutyl)carbamic acid 5-methoxy-3-oxapentyl ester(SNJ-1945), reduces murine retinal cell death in vitro and in vivo2010
Author(s)
Shimazawa M., Suemori S., Inokuchi Y., Matsunaga N., Nakajima Y., Oka T., Yamamoto T., Hara H.
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Journal Title
J.Pharmacol.Exp.Ther. (Online publication)
Peer Reviewed
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