2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相川 清隆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーザー冷却 / 分子分光 / 誘導Raman遷移 / 極性分子気体 / 超微細構造 / 光会合 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目標は、光格子中の量子縮退した極性分子気体という全く新たな系における秩序状態の形成を観察することである。しかし、これまでにこのような系は実現されておらず、最初の大きな目標は量子縮退した極性分子気体を得ることそのものである。本研究では、K-41およびRb-87という2種類の極低温原子気体からまずFeshbach共鳴を用いて浅く束縛された分子KRbを形成し、続いてこれを誘導Raman遷移によって安定な振動基底準位へと遷移させる、という方針によってKRbの極低温気体を得る予定である。第二年度である平成21年度は、初年度に確定した中間状態とは異なるスピン・対称性を持つ状態(2)3S+を中間準位とした遷移の可能性について実験・計算の両面から追究した。その主な成果は次の通りである。 レーザー冷却されたK-41およびRb-87から光会合によって極低温KRb分子を生成し、これに対してCWレーザーでスピン三重項状態の分光を860-920nmの範囲で行った。17の振動準位を観測すると共に、それぞれの準位に回転構造が存在することを確かめた。また、特に回転構造に対する解析を通じて、観測した状態がRaman遷移の中間状態として適した(2)3S+であることを示すと共に、各回転準位において観測された分裂が超微細相互作用に基づくものであることを明らかにした。これらの解析に基づき、Raman遷移の中間準位として用いるべき準位を確定した
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Research Products
(1 results)