2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10055
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 真理子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 地球磁気圏 / 直接観測 / 速度分布関数 / プラズマシート / ケルビンヘルムホルツ不安定 / 磁気リコネクション / 粒子加速 / イオン加速 |
Research Abstract |
人工衛星による地球磁気圏の直接観測によって得られたプラズマの速度分布関数および電磁場の観測テータを基点とし、宇宙空間における普遍的な物理素過程であるプラズマの輸送・混合・加速過程の解明に取り組んでいる。本年度の成果は、(1)ジオテイル衛星の長期間に渡る観測データを用いた低温高密度プラズマシートの統計解析から、強い磁気嵐を引き起こす原因となる効率的な太陽風プラズマの磁気圏への輸送・混合過程として、高緯度領域における磁気リコネクションが低緯度領域におけるケルビンヘルムホルツ不安定より重要であることを、電子およびイオンの速度分布関数の特徴に基づき指摘した。また、(2)宇宙空間の様々な場所において効率のよい粒子加速器の有力候補とされている磁気リコネクションによる粒子加速過程を明らかにするために、磁気圏尾部において磁気リコネクションに伴ってジオテイル衛星によって観測された非熱的イオンおよび電子の統計解析を行った。磁気リコネクションによるイオン加速効率はリコネクション電場の強度によって支配されている一方で、電子加速効率は電流層の厚さによって決まっていることを明らかにした。さらに、(3)電磁粒子コードを用いた駆動型磁気リコネクションの大規模シミュレーションを行い、先行研究ですでに報告されている非熱的電子に加えて、非熱的イオンの生成に初めて成功した初期結果が得られた。電子は分極電場によるサーフィン加速およびアウトフロー領域における磁場勾配ドリフトに伴う加速が重要である一方で、イオンはアウトフロー領域における磁場曲率ドリフトに伴う非断熱的加速が重要であることを分かってきた。
|
Research Products
(10 results)