2008 Fiscal Year Annual Research Report
半導体-金属-半導体ナノカップリング系からなる高効率太陽電池の開発
Project/Area Number |
08J10056
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
清長 友和 Kinki University, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 太陽電池 / 硫化カドミウム / 金ナノ粒子 / 表面プラズモン吸収 / サイズ効果 |
Research Abstract |
H20年度の研究成果は以下の通りである。 1.Au(コアー)-CdS(シェル)型複合ナノ粒子を光増感剤として用いた太陽電池のさらなる変換効率の向上と長寿命化について検討を行った結果,以下の事柄が明らかとなった。 (1)大表面積をもつ多孔質TiO_2を用いて変換効率の向上を試みた結果,変換効率が飛躍的に向上した。 (2)CdS(シェル)層の膜厚の増加により,赤外域の吸収強度が増加すること,ならびに吸収領域がさらに長波長側にまで広がることが明らかとなった。 (3)Au(コアー)-CdS(シェル)型複合ナノ粒子を光増感剤として用いた太陽電池においてS^<2->/S系の酸化還元対を用いた結果,変換効率と寿命が大幅に向上した。 2.一般的によく用いられている白金の代わりに金を対極として用いて,太陽電池性能の評価を行った結果,白金対極と同等の性能があることが明らかとなった。また,金ナノ粒子を担持した対極のほうがバルクの金を対極とした場合よりも変換効率が高くなり,さらに金ナノ粒子のサイズが小さいほど変換効率が高くなるということが明らかとなった。この原因は,金ナノ粒子の表面構造に起因するものと推定された。 以上述べた通り、当初の目標を概ね達成することができた。現在,CdS/TiO_2系との比較を行い,金と硫化カドミウムのカップリング効果について検討中である。
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