2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネ特有の形態形成を制御する発生機構の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
08J10120
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥羽 大陽 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員DC2
|
Keywords | YABBY遺伝子 / 分子遺伝学 / イネ |
Research Abstract |
1,3つのイネYABBY遺伝子の機能喪失体の作製とその解析 本年度はOsYABBY2遺伝子座にT-DNAが挿入した1C-02025系統を入手し,解析を行った.その結果,ホモ接合体ではOsYABBY2の機能が失われていることがわかった.次に,野生型,ヘテロ接合体およびホモ接合体の表現型を比較したところ,顕著な違いは認められなかった.これらの結果は,3つのイネYABBY遺伝子の機能が重複しているという考えを支持している.これらの結果は,The 6th International Symposium on Rice Functional Genomicsにて発表した. 2,キメラリプレッサーを導入した形質転換体の作製とその解析 本研究では,CRES-T法をイネYABBY遺伝子に適用し転写抑制ドメインに相当するDNAを融合したキメラリプレッサーを作製した.その結果,CRES-T法がYABBY遺伝子に対しても,有効であることが示された.次に,OsYABBY1,OsYABBY2およびOsYABBY6のキメラリプレッサーを発現させた植物体を解析したところ,YABBY遺伝子の関わる形態形成機構に新たな知見が得られる可能性が示された. 3,イネ穎花に多面的形態異常を示す変異体H17を用いた穎花形成機構の分子遺伝学的解析 平成20年度は,H17変異体の原因遺伝子の証明として,相補性検定を行った.その結果,変異体の示す表現型が相補されることを明らかとした.このことからイネの穎花形成にsmall RNAを介した遺伝子発現制御が深く関わることを示した.さらに,雄蕊発生におけるH17変異の影響を解析し,雄蕊のパターン形成と向背軸極性の関係について新知見を得ることに成功した.これらの解析結果を,日本植物生理学会50回年会において発表した.
|
Research Products
(2 results)