2008 Fiscal Year Annual Research Report
PTEN結合分子解析によるPTEN制御機構と疾患の解明
Project/Area Number |
08J10216
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西尾 美希 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究(PD)
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Keywords | PTEN / T細胞分化 / 転写因子 |
Research Abstract |
PTEN結合分子PICT1の機能解析:LckCre TgマウスとPICT1floxマウスを交配し、T細胞特異的PICT1欠損マウスを作製した。PICT1はPTENを安定化するものの、MDM2やp53とも直接結合し、PICT1欠損によってDNA障害がないにも関わらずp53が著しく上昇することを見出した。またこのマウスはDN3-DM以降の段階でT細胞分化が著しく障害され総胸腺細胞数は、野生型マウスの約100倍に減少していた。さらにPICT1/p53のダブル欠損マウスでは、PICT1欠損による胸腺細胞の減少がほとんど回復することから、PICT1欠損による効果がp53に大きく依存性であることを見出した。 PTEN結合分子PBP1の機能解析:酵母ツーハイブリッド法を用いてPTENと結合する新規分子PBP1を見出した。PBP1はPTEN依存性にAktの活性化を抑制し、またその作用機序の1つとしてPBP1はPTENのもつ脂質ホスファターゼ活性を有意に亢進させること、またPBP1は構造上、転写因子としても働くことが予想され、実際PBP1の発現によりPI3Kp110βやPDGFRの転写が著明に抑制されることから、PBP1はこれら分子の転写抑制因子として働くことによりAktを抑制する可能性もあることを現在までに見出している。また、PBP1欠損マウスは胎生致死であることが予想されたためにPBP1floxマウスを作製したが、完全なPBP1欠損マウスとしても生存可能であることまでを見出した。 PTEN新規結合分子の機能解析:酵母ツーハイブリッド法を用いてこれまでに約40種類のPTEN結合分子を単離し(これらのうちの1つがPBP1である)、全長が非常に長い1分子を除く、これら40種類すべての全長cDNAをクローニングし、そのうち5種類がPTENと哺乳類細胞内で結合することを見出した。
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