2010 Fiscal Year Annual Research Report
PTEN結合分子解析によるPTEN制御機構と疾患の解明
Project/Area Number |
08J10216
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西尾 美希 九州大学, 生体防御医学研究所・ゲノム腫瘍学, 特別研究員(PD)
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Keywords | Pten / p53 |
Research Abstract |
(1)PICT1の機能解析:T細胞特異的なPICT1欠損マウスでみられる著しいT細胞形成障害はp53依存性であることを見いだしており、22年度ではPICT1欠損したES細胞を用いてPICT1のp53依存性について検討を行った。PICT1欠損したES細胞は5日以上生育できず、p53依存性に細胞周期の停止と細胞死の亢進をみること、p53の上昇はMDM2の機能障害よることなどを見いだした。また、PICT1の抑制は種々のがん細胞株の増殖抑制に働くこと、PICT1のヘテロ欠損したマウスでは皮膚2段階発がんの抑制がみられること、ヒト大腸癌患者ではPICT1の発現低下ががんの予後に相関することも見いだしている。 (2)PBP1の機能解析:PBP1はin vitroおいてAktの活性を抑制する因子であり、その作用機序はPTENと結合してそのホスファターゼ活性を上昇させること、転写因子としても働き、PI3Kp110βなどの転写を抑制することなどを見出している。そこでin vivoにおける作用を明らかにするために、PBP1欠損マウスを作製したものの、このマウスは全く発現型を呈さなかった。次に我々はPBP1と構造が類似するPBP2が存在し、この分子もPBP1と同様の作用を有することを見出したことから、平成22年度にはPBP2欠損マウスを作製するために、ターゲティングベクターの作製、変異ES細胞の作製を終え、現在キメラマウスまでをうることができた。
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Research Products
(2 results)