2008 Fiscal Year Annual Research Report
超冷中性子の高さ分布を精密に測定し、未知の短距離力を探索する研究
Project/Area Number |
08J10234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
園田 真也 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超冷中性子 / CCD / 重力場 / 量子状態 / 対応原理 / 短距離力 / 位置分解能 / 蒸着 |
Research Abstract |
重力場中で中性子が量子化すると中性子は鉛直方向に~6μm程度のスケールで分布する。この分布をCCDで観測し、重力場中やの対応原理を検証する。また、分布を精密に測定し、余剰次元の理論等で予言されている短距離力の探索を行う。中性子を円筒型ガラス棒の側面に入射させ鉛直方向の分布を拡大する機構を考案した。CCD検出器に求められる位置分解能は~数10μmである。CCD検出器が要求される位置分解能を備えていることを検証する。受光面に中性子を荷電粒子に変換するための金属薄膜を蒸着したCCD検出器を開発した。蒸着膜として^6Liと^<10>Bの2種類を用意し、それぞれの蒸着膜を蒸着したCCDの位置分解能を評価する。両者の結果を比較し、より良い分解能を与える蒸着膜を選定する。 平成19年度に制作したパターンを用いて、^6Liと^<10>Bを蒸着したCCDの位置分解能の比較を行った。^6Liを蒸着したCCDは核反応で発生するTによって位置分解能が悪くなるため、量子状態測定実験では^<10>Bを蒸着したCCDを用いる。位置分解能評価用パターンを改良し、さらに高精度のパターンを制作した。本パターンを用いて^<10>Bを蒸着したCCDの位置分解能評価を行い、鉛直方向の位置分解能を~4μm、水平方向の位置分解能を~3μmと評価した。この値は測定に要求される分解能より十分良い値である。 これまでCCDの性能評価には日本原子力研究開発機構(JAEA)にある冷中性子源を用いてきた。中性子の量子状態測定実験では超冷中性子を用いる。超冷中性子は非常にエネルギーが低いため、受光面の表面で反射する可能性が考えられる。本研究で開発したCCD検出器を用いて超冷中性子を測定できることを確認する必要がある。 フランスのラウエ・ランジュヴァン研究所にある超冷中性子源を用いて、CCDに超冷中性子を照射し、UCNと蒸着膜の核反応によって生成された荷電粒子の分布が測定された。CCDで超冷中性子を測定できる事を実証した。
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Research Products
(2 results)