2009 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度コンクリートの材齢初期の組織形成過程と部材内強度発現機構の解明
Project/Area Number |
08J10241
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 幸恵 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超高強度コンクリート / 強度発現 / 温度履歴 / 水分移動 |
Research Abstract |
本研究は,高強度コンクリートの材齢初期の水和反応過程における構造体内部の水分挙動を実験により明らかにするとともに,水分挙動と強度発現の関係を結合水量などの化学分析を行い,構造体中での強度発現分布の予測システムの構築を目的とする。 具体的には, (1)材齢初期における構造体中での水分挙動を実験的に把握し,使用材料および調合の観点で整理し,定量的に評価を行う。 (2)水分挙動がコンクリートの強度発現機構に及ぼす影響について,圧縮強度,組織構造および水和反応を分析し,温度履歴および水分移動の相互依存性を定量的に把握する。 (3)構造体コンクリート中での強度分布予測システムの構築を行う。 平成21年度は,構造体内部の初期高温履歴を模擬した加熱環境をモデル供試体に与えるための,加熱システムを構築した.その際20年度の結果を基にして,断熱材厚を50mm程度から200mmに変更し,過去の温度履歴データを調査して温度制御プログラムを調整した.その温度プログラム制御下でセメントペースト供試体を用いた検討を行い,コンクリート打込み直後から材齢7日程度までに至る高強度コンクリートの温度履歴を模擬することに成功した。現状の課題点は,普通ボルトランドセメントや低水セメント比のような高温になりやすい条件では,打込み直後から断熱状態にすると,セメントペースト自体の水和発熱が予想以上に高温化し,温度制御プログラム以外の発熱ピークが生じるという点であるが,検討の結果,前養生時間を設定することによって,適正な構造体模擬温度履歴を与えることが可能となった.これらの条件下で得られた試験片を詳細に検討することで,これまで実験レベルでは明らかにされていなかった,初期高温履歴をうける超高強度コンクリートの組織形成過程および内部水分移動に関する知見を得ることが可能となる.
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Research Products
(3 results)