2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10324
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌倉 真音 東京大学, 大学院・学際情報学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 文化資源 / 3次元デジタルアーカイブ / デジタルデータ利活用 / 情報考古学 / デジタル文化財 |
Research Abstract |
本研究は、有形文化資源の3次元デジタルアーカイブデータの利活用について、データの計測作業と取得データを用いた解析と考察を通して、その有効な方法や今後の展開、可能性について3ヶ年で考察、検討するものである。最終年度である本年度も昨年度に引き続き、特に有形文化資源のデジタルデータの利活用に関して、考古学、美術史学、建築史学、など多分野にわたって具体的な解析や活動を通して研究を遂行した。主に、以下の2点に着目して研究を行った。(1)カンボジア、アンコール遺跡バイヨン寺院の大きな特徴である尊顔に関して、3次元デジタルアーカイブデータを用いた解析による考古学的考察を行った。12世紀に寺院を建立したとされる王(ジャヤヴァルマンVII)の坐像顔面デジタルデータと寺院尊顔の類似度等を検証する解析、アンコール遺跡群の中でもバイヨン期の寺院にだけ存在する尊顔の制作背景について考察を行った。解析、考察の結果は、バイヨン期の寺院建立の歴史等を明らかにし、多分野横断型研究の結果としても極めて重要なものとなる。(2)3次元デジタルアーカイブデータを用いた具体的事例をもとに、従来では文化資源そのものに対して行ってきた利活用活動を、デジタルデータの特長に着目し、広く文化資源全般にわたってデータとして利活用していく、プロセスデザインを行っている。サーバなどに蓄積されるばかりの文化資源デジタルアーカイブデータを有効に利活用するために、(1)のように具体的な対象を用いた解析、考察を行い、同様に様々な対象に対しても適用していくことは有意義である。 本研究の成果は、国内外を問わず文化資源における保存・デジタルデータ化・利活用に関する俯瞰的な考察を可能にし、文化資源を基軸とする多分野にわたる研究領域での具体的研究プロセスモデルの提案につながる。とりわけ国土も狭く、資源にも乏しい日本国において、あらゆる文化資源を有効な手段で保護、保全、保存、そして活用していくことは極めて重要である。
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Research Products
(2 results)