2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジア太平洋地域主義-その歴史、理論、可能性の検討
Project/Area Number |
08J10325
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保城 広至 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 特別研究員PD
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Keywords | 地域主義 / アジア・太平洋 / 国際関係 |
Research Abstract |
本年度(初年度)の研究実施状況は、次の3つに分類される。 1本プロジェクトに必要とされる基本的な知識の底上げを行う。 2従来蓄積してきた研究成果を、新たに得た成果と重ね合わせることによって、発展させる。 3米国での研究環境を最大限に活用し、研究者コミュニティを構築する。 第一の点としては、7月中旬から一ヶ月間、ミシガン大学の統計セミナーに参加して、回帰分析とOLS(最小二乗法)の基礎を学習した。アジアにおける経済相互依存の高まり(いわゆる、「地域化」と呼ばれている)と、地域制度を創設しようとする意識的な行動(「地域主義」)との関係を、計量的に分析するために必要だと考えたためである。平成21年度にもう一ヶ月間、上級レベルのセミナーに参加し、本格的な計量分析を始める予定である。 第二の点としては、地域主義の理論研究に関するサーベイを地道に進め、従来研究してきた1950・60年代における日本の地域主義についての歴史研究を、理論的見解を踏まえた形で単著と小論文にまとめたことが挙げられる。前者は8月に出版され、後者はある英文雑誌に掲載が決まった(掲載号は未定)。また、理論のサーベイ論文を現在執筆中であり、平成21年度中に、紀要か研究ノートとして和文雑誌に投稿する予定である。 第三の点としては、コーネル大学の東アジアプログラムで客員研究員として、定期的に開かれるセミナーに参加して討論を行うと共に、2008年夏学期には受け入れ教官であるP・Katzenstein教授の大学院ゼミに参加し、教授及び大学院生と積極的な交流を行ったことである。 概して総括すれば、初年度としては、予定通りの研究成果が得られたと考える。
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Research Products
(1 results)