2008 Fiscal Year Annual Research Report
線虫バイオセンサーによる、毒物検出法と解毒物質スクリーニング法の開発
Project/Area Number |
08J10336
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
長谷川 浩一 Chubu University, 応用生物学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | GST / UGT / Caenorhabditis elegans / 食品 / アクリルアミド |
Research Abstract |
本研究は、生物体内の解毒代謝に働く分子を利用する迅速・簡便・経済的な線虫バイオセンサーを用いて、環境・食品中の様々な危害化学物質を検出・評価すること、そしてそれらを解毒、緩和する食品・成分を探索することを目的とする。グルタチオンS-トランスフェラーゼ遺伝子(gst)、およびUDPグルクロン酸トランスフェラーゼ遺伝子(ugt)に、レポーター遺伝子gfp(green fluorescence protein)を融合させた遺伝子を線虫に導入し、計11種類の組み換え体ラインを作製した。これら組み換え体ラインからいくつかを選抜し、線虫バイオセンサーとして、食品危害物質アクリルアミドをはじめ、その他同じく食品危害物質であるクロロプロパノール類(3-MCPD、1,3-DCP)、カドミウム、メチル水銀について、反応濃度や反応速度などについて計測した。さらには、生物個体に与える様々な影響、つまり成長、運動、生殖能力、寿命などへの影響についても調べた。 線虫バイオセンサーは生物個体が持つ危害化学物質に対する応答反応を利用するものであり、バイオセンサーが遺伝子の発現として反応する濃度と生きた生物個体上に影響があらわれる濃度とを対応させることで、各種危害化学物質に対する評価がリアルタイムで可能となった。また、同じ線虫バイオセンサーを利用して、アクリルアミドによるGST発現誘導を抑制する効果を持つお茶の成分は、水溶性の高いものであることがわかり、現在同定中である。未知の物質であれば、機能性食品成分として特許を取得し、商品化を目指すことが可能である。また既知の物質であっても、商品に付加価値をつけることができる。
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[Journal Article]2008
Author(s)
長谷川浩一
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Journal Title
Pine Wilt Disease : A Worldwide Threat to Forest Ecosystems(Springer Verlag)
Pages: 91-100
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