2009 Fiscal Year Annual Research Report
線虫バイオセンサーによる、毒物検出法と解毒物質スクリーニング法の開発
Project/Area Number |
08J10336
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
長谷川 浩一 Chubu University, 応用生物学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | GST / Caenorhabditis elegans / バイオセンサー / 機能性食品成分 / イソチオシアネート / GFP |
Research Abstract |
生体異物や活性酸素を除去するための重要代謝酵素として、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)が挙げられる。このgstとgfp(green fluorescence protein)とを融合させた遺伝子を、モデル生物である線虫Caenorhabditis elegansに組み込み、線虫バイオセンサーを作成した。本バイオセンサーは、GST発現をGFPの蛍光で視覚化することができ、(1)様々な毒物の検出と評価、(2)解毒物質のスクリーニング、に利用することが可能である。今回はさらに、(3)機能性食品成分のスクリーニングに応用できることを証明できた。 ローズマリーの成分であるカルノシン酸、わさびやアブラナ科植物の成分であるイソチオシアネート類(Allyl isothiocyanate, Sulforaphane, Benzyl isothiocyanate)は、GSTを効果的に発現誘導することがわかった。これらの物質を線虫に摂取させると、酸化ストレスに対する耐性を付与することから、生物に対して長寿・健康増進効果をもった機能性食品成分であることが示唆された。さらにこの耐性付与は、転写因子SKN-1を介したGSTの発現誘導によることも明らかとなった。現在、野菜や生薬等の天然物由来抽出試料をスクリーニングにかけ、未知の機能性食品成分を探索中である。そのなかで数種類の粗抽出物に、GST発現誘導性があることを突き止めた。物質を同定し、毒性評価やストレス耐性試験をおこない、未知の機能性食品成分の発見を目指している。未知の物質であれば特許を取得し、商品化を目指すことが可能である。
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