2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10341
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 秀顕 The University of Tokyo, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 貴金属リサイクル / 湿式プロセス / 電気化学 |
Research Abstract |
白金(Pt),金(Au)およびロジウム(Rh)に亜鉛(Zn)蒸気を接触することで,これらの貴金属の酸溶液中における溶解を容易にする手法を探索した.貴金属のリサイクルにおいては水溶液への溶解が不可避であり,Zn蒸気を用いた処報によりこれらの貴金属の溶解性を高めることが可能となれば,リサイクルに伴う環境負荷を低減することが期待できる. 本研究では,貴金属とZn蒸気との反応によって生成する化合物の種類(組成・結晶構造)を調査し,さらにこれらの化合物の溶解速度測定を行った.化合物の生成においては,密閉容器内で貴金属とZn蒸気源に温度差を設けて加熱することで,生成する貴金属-Zn化合物中のZn活量を制御した.この手法により,Pt-50%Zn,Pt-64%Zn,Pt-75%Zn,Au-50%Zn,Au-70%Zn,Au-75%Zn,Rh-75%Znが生成する加熱条件(温度および時間)を明らかにした.溶解速度測定では,チャンネルフロー二重電極法を用いて,これらの化合物から貴金属およびZnが溶解する速度を分離して評価した.同手法を用いることにより,どのような化合物とすれば貴金属の溶解が促進されるかを直接的に評価可能となった.Pt-Zn系では,比較的Zn濃度が高いPt-64%ZnおよびPt-75%ZnとしたときにPtの溶解速度が向上した.対照的に,Au-Zn系ではAu-50%ZnとしたときにAuの溶解速度が向上し,Au-70%ZnおよびAu-75%ZnとしたときにはAuの溶解が抑制された.化合物から貴金属およびZnが溶解する速度の電位・時間依存性を調査するとともに,溶解途中の化合物の形状・組成・構造の変化を観察し,化合物の溶解の機構の考察を行った.
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Research Products
(4 results)