2008 Fiscal Year Annual Research Report
MEMSセンサを用いた自由飛行中の流れ計測によるトンボの飛行メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J10359
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 英俊 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MEMS / 圧力センサ / 昆虫の羽ばたき飛翔 |
Research Abstract |
本年度は研究目標のうち,昆虫型羽ばたき機の翼面に取り付けるためのMEMS圧力センサを設計・製作し,性能を評価した. 圧力センサとしてMEMS技術を用いて,微小なピエゾ抵抗カンチレバーを製作した.センサを翼面の任意の場所に貼り付け,上面と下面の圧力差によって発生する機械的な歪みから圧力差を計測する.ピエゾ抵抗型のセンサを用いる利点として他の差圧センサに比べ,定圧から周波数1kHz程度の高周波の圧力変動を計測できることが挙げられる.またカンチレバータイプにすることで機械的変位が発生しやすくなるため,従来のダイヤフラムタイプに比べ,センシティビティが高くなる利点がある.超薄型であるため,羽ばたき翼等加速運動を行うものに取り付けた場合でも,質量が小さいため,センサ自身のイナーシャルフォースによる応答がほぼ無視できる.センサチップの大きさは1.5mm×1.5mm×0.3mm,20mgとなるように製作した.圧力に対する感度は2.9×10^<-4>Pa^<-1>であった,また圧力に対する応答は定圧から4kHzまで計測可能であった. 昆虫型の翼面に製作したセンサを貼り付け,羽ばたき運動中の翼面に発生する圧力差を計測するシステムの構築を行っている.翼幅60mmのチョウを規範とした翼面に3点センサを取り付け,羽ばたき周波数10Hzで翼を羽ばたかせた.その結果,圧力差は羽ばたき運動に同期して発生しており,翼の根元から遠ければ遠いほど大きい差圧が計測されることが確認できた. また製作したセンサを用いて,翼面の圧力差を計測できるだけでなく,距離センサに応用する研究も行った.音源から超音波を発信し,音源とセンサの距離の測定を実現した.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
田中博人, 高橋英俊, 下山勲
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Journal Title
昆虫飛翔研究用の昆虫型羽ばたき機, 昆虫ミメティックス〜昆虫の設計に学ぶ〜, 下澤楯夫・針山孝彦(監修), 第3編, 第1章, 第13節, pp.716-723(エヌ・ティー・エス出版)
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