2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形状態空間モデルの推定と金融データへの応用分析
Project/Area Number |
08J10363
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 庸博 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 確率的ボラティリティモデル / 多変量確率的ボラティリティ変動モデル / 株式市場 / レバレッジ効果 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / ポートフォリオ最適化 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,確率的ボラティリティ変動モデルのベイズ推定と応用に関する研究を行った.「相関一定のレバレッジ効果を考慮した多変量確率的ボラティリティ変動モデル」に関してはマルコフ連鎖モンテカルロ推定の計算効率の向上と交差レバレッジ効果のモデル化を行った.ここでいう交差レバレッジとはある株価下がった日の次の日のその株式のボラティリティが大きくなるという通常のレバレッジ効果だけでなく,ある株価が下がった日の次の日の別の株式のボラティリティへの影響をモデル化したものであり,実際のデータにおいても別の株式のボラティリティは大きくなるという結果が明らかになった.前者のモデルを用いた結果はワーキングペーパーとしてまとめ,学術誌に投稿中である.「レバレッジ効果を考慮した因子確率的ボラティリティ変動モデル」に関しては比較的高次元を扱うことができるため研究計画にあるポートフォリオ最適化に関する研究に応用することを目的として,モデルの拡張,予測・予測精度の評価法を構築し推定・予測に関する計算を行っている.計算が終了次第ワーキングペーパーとしてまとめ学術誌に投稿する予定である. 昨年度,「2状態のマルコフスイッチング確率的ボラティリティ変動モデル」により定式化を行っていたものの推定結果等を考慮して多状態の構造変化モデルに変更している.この構造変化モデルは昨年度扱っていたモデルを含むより一般のモデルとなっている.三つ目は主な研究対象として扱っている.「レバレッジのある行列指数を用いた確率的ボラティリティ変動モデル」に関する研究である.今年度はより非効率ではあるが,シンプルであるプログラムを用いて予備的な実証分析を行った.株価の収益率の相関係数の変動を捉えることができることがわかっている.
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Research Products
(4 results)