2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10367
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福岡 歩 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | メソポーラスシリカ / メソポーラス有機シリカ / 有機添加剤 / 反応性イオンエッチング / 構造制御 |
Research Abstract |
9-1.エッチングを利用したバイモーダル細孔構造を有するメソポーラスシリカ薄膜の合成 バイモーダル細孔構造を有するメソポーラス薄膜は、種々の物質が容易に薄膜にアクセスでき、さらに薄膜内部で高い拡散性を示すと考えられる注目すべき材料である。本研究では、反応性イオンエッチング(Reactive ion etching, RIE)を用いてバイモーダル構造のメソポーラスシリカ薄膜を作製することを目的とした。三次元へキサゴナル構造を有するメソポーラスシリカ薄膜を既報に従って合成し、Ptスパッタを施した後に、RIE処理を行った。RIE処理後の薄膜の断面SEM像では、三次元へキサゴナル構造の約5nmの細孔に加えて、薄膜表面に垂直方向に直径数10nm、深さ約50nmの新しい細孔が形成している様子が観察された。エッチングによって形成された孔の大きさは10~30nm程度であり、約5nmのメソ孔が数個つながったと考えられる。以上の成果について、近日中にThin Solid Films誌に投稿予定である。 9-2.有機分子の添加によるメソポーラス有機シリカの構造制御 メソポーラスシリカの構造を精密かつ自在に制御することに向けた一つのアプローチとして、合成の際に有機分子を添加する方法が注目されている。前年度において、SBA-3型メソポーラスシリカの合成の際に1,3,5-トリイソプロピルベンゼンを加えることで、メソ構造がhexagonal p6mm→cubic Pm3n→cubic Fm3mと変化することを発見した(今年度Langmuir誌に発表)。今年度は、その結果をシリカ骨格中に有機基を有するメソポーラス有機シリカの系に展開した。1,3,5-トリイソプロピルベンゼンを添加した塩基性条件下での合成において、構造規則性の低下は見られたものの、骨格の結晶構造を保持したまま細孔径および細孔容積の大幅な拡大に成功した。また、ベンジルアルコールを添加した酸性条件下での合成において、三次元キュービック(Pm3n)構造から二次元へキサゴナル構造へ変化させることに成功した。以上の成果を、Chemstry Letters誌に発表した。
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Research Products
(3 results)