2008 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光を利用した不斉触媒のハイスループットスクリーニング系の構築と応用
Project/Area Number |
08J10376
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 拓也 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 蛍光 / HTS / 不斉触媒 / 光学分割 / 光誘起電子移動 |
Research Abstract |
私は「蛍光を利用した不斉触媒のハイスループットスクリーニング系の構築と応用」を研究テーマとして研究を進めている。本研究ではHenry反応をターゲットとして選択し、その第1歩としてHenry反応生成物であるnitroalcohol構造を持つ化合物について、その不斉点における化学反応を光誘起電子移動を利用した蛍光特性の変化へと繋げる事で、光学分割触媒の蛍光ハイスループットスクリーニング系の構築を達成することを目標とした。 本年度はまず、不斉点を持つ蛍光性分子について光学分割に取り組んだ。種々の光学分割用キラルHPLCカラムによる分離を試みた結果、ダイセル社のCHIRALPAK IAによって効率的に光学分割が達成できることを見出し、光学分割に成功した。 続いて、不斉点を持つ蛍光性分子のnitroalcohol部分が酢酸等によってエステル化されると容易に脱離反応を起こし、nitrovinylへと変化する反応を利用し、光誘起電子移動による蛍光の制御を行うことで光学分割反応の前後での大きな蛍光強度変化を達成した。これにより、Henry反応生成物の光学分割触媒について、その活性を網羅的に調べることの出来るHTS系の構築に成功した。 現在、光学分割した蛍光性分子の絶対配置を決定するべく、分子にヨウ素を導入した誘導体を合成し、結晶化及びX線による結晶構造解析に取り組んでいる。また、これと同時進行で優れた光学分割触媒の探索にも取り組んでおり、不斉触媒の蛍光HTS系の構築に向けて研究を進めている。
|
Research Products
(3 results)