2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10465
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一川 尚広 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イオン液体 / 液晶 / 自己組織化 / ナノ相分離 / 双連続キュービック相 / 電解質 |
Research Abstract |
常温において溶融状態で存在する有機塩をイオン液体と言い、難揮発性・難燃性・高イオン伝導性といった優れた特徴から次世代電池電解質などへの研究が盛んに行われている。イミダゾリウム塩・アンモニウム塩などがイオン液体を形成する代表的な有機塩である。これらの有機塩分子に液晶性を付与することで、自己組織的にナノスケールのイオン性チャンネルを形成する材料の開発が行われており、異方的なイオン伝導パスとして機能することなどが報告されている。 本研究では、チャンネル構造を有する液晶相のなかでも双連続キュービック相に着目した。双連続キュービック相は三次元的なチャンネル構造を有する液晶相であり、そのチャンネルの機能化は非常に興味深い。特に、重合性のイオン性液晶性分子を開発し、液晶状態で重合することで三次元的なイオンチャンネルを有するイオン伝導性ポリマーの開発を目指した。様々なイオン性分子を合成したところ、双連続キュービック相を発現する重合性分子を得ること成功した。相の同定には偏光顕微鏡観察・示差走査熱量測定・X線回折測定により行った。光重合開始剤を添加したサンプルについて液晶状態において光照射を行ったところ自立性のあるポリマーフィルムを得ることに成功した。このポリマーフィルムについてX線回折測定を行ったところ、三次元的なイオンチャンネル構造を維持していることが明らかとなった。今後、これらのポリマーフィルムについてイオン伝導度の測定を行うことで固体電解質としての評価を行う予定である。
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Research Products
(6 results)