2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ塑性加工における金型-材料間のメゾトライボ特性に関する研究
Project/Area Number |
08J10502
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 徹英 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科機械工学専攻, 特別研究員DC1
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Keywords | マイクロ加工 / トライボ特性 / 金属箔材 / 表面粗さ / 表面変質層 / 弾塑性有限要素解析 / マイクロ深絞り加工 |
Research Abstract |
全体的な研究目標に対し,本年度は研究のベースとなる微細表面凹凸モデル作成を初年度計画の軸として, 1.表面凹凸の変形機構モデル作成のための被加工材に関する基礎的データの取得 2.金型-材料間の摺動実験モデルとしての摩擦試験装置の設計・製作及び予備実験 3.微細表面凹凸幾何形状の有限要素モデル化の検討を行った.これに対し,以下の研究成果が得られた. (1)圧延により製造された板厚の異なるりん青銅箔材を対象に内部組織観察を行い,板厚T=50・20μmの極薄箔材において,マクロ寸法では見られないラメラ状組織が確認された. (2)りん青銅箔の引張試験により,板厚の極薄化に伴う変形抵抗の増大及び伸びの急激な減少を確認した.さらに圧延方向に対する変形の異方性として,板厚T=50,20μmの極薄箔材においては延性の大小関係が従来の板材と比較して逆転することを明らかにした. (3)摩擦試験として帯板引抜型摩擦摺動試験を採用し,金属箔材に対応した高精度・高剛性の試験装置の設計・製作を行い,予備試験により定性的な再現性を確認した. (4)共焦点レーザー顕微鏡により得られた実表面凹凸幾何形状の3次元座標データを用いて,微細表面凹凸のFEモデルを作成し,上記摩擦試験と同条件における解析を行い,定性的な妥当性を得た. 以上のように,従来のマクロ寸法とは異なる,マイクロ寸法領域特有の材料変形挙動,機械的特性を明らかにしたことで,本研究が対象としている弾塑性有限要素解析モデルにおいて,金属箔材に対応した材料モデリングが可能となる.また微細表面凹凸有限要素モデルの作成,及び摩擦試験装置の製作・再現性の取得により,今後はこれらを用いて,金型-材料間の摺動挙動を実験・解析の両面からのアプローチが可能となる. 次年度においては,大域的なマクロ解析モデルとの連成解析手法の具体的な検討を大きな研究目標としていく.
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Research Products
(9 results)