2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ塑性加工における金型-材料間のメゾトライボ特性に関する研究
Project/Area Number |
08J10502
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 徹英 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | マイクロ加工 / トライボ特性 / 金属箔材 / 表面粗さ / 表面硬さ / 弾塑性有限要素解析 / マイクロ深絞り加工 |
Research Abstract |
初年度の研究成果を受けて,局所的な表面凹凸モデルと大域的なマクロ解析との連成解析手法の具体的な検討を目標として, ・有限要素モデリングのための基礎データの追加収集 ・帯板引抜型摩擦試験におけるトライボ挙動に関する実験的検討 ・帯板引抜型摩擦試験のマクロ有限要素モデルの作成と表面凹凸モデルとの連成解析手法の立案 ・次年度へ向けたマイクロ深絞り実験型の設計・製作 を行った.これに対し,以下の研究成果が得られた. (1)新たにステンレス箔・純チタン箔を対象に引張試験を行い,各種機械的特性を取得した.またナノインデンテーションにより各種箔材及び各種金型の硬さ測定を行い,表面の材料特性データの取得にも成功した. (2)初年度に開発した帯板引抜型摩擦試験機を用いた摩擦試験により,各種供試材及び金型表面粗さ・硬さの違いによる,トライボ挙動の変化を実証した.また同じ摩擦負荷下において試験片の伸びを評価し,板厚の違いによる巨視的な材料変形挙動の相違を示した.このことより極薄箔材における摩擦制御の重要性を示した. (3)表面凹凸モデルを導入するマクロ解析モデルとして帯板引抜型試験の有限要素モデリングを作成した.局所モデルの導入においては,計算コスト,接触計算における問題点が浮上し,最終年度への課題となった. (4)新たに開発した幾何学的に相似寸法を持つマイクロ深絞り実験型を用いた実験により,板厚の厚い箔材の方が摩擦に起因した深絞り荷重がより大きくなることを明らかにした. 以上のように,本年度はモデリングのための基礎データの追加収集,及び表面特性が及ぼす影響の実験的事実の把握に努めた.それらを元に帯板引抜型摩擦試験の有限要素モデルを作成し,表面凹凸モデルの導入を試みたが,接触計算及び計算コスト上の問題が生じた.これを踏まえて次年度では,接触計算における摩擦係数の関数化によるアプローチを行い,表面特性の影響を考慮したモデルの作成を試みる.さらにこれらをマイクロ深絞り成形ヘモデルを発展させ,同モデルを用いて,マイクロ塑性加工に適した金型・材料の表面設計の指針を得る.
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Research Products
(8 results)