2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ気相燃焼における化学的消炎機構に関する研究
Project/Area Number |
08J10541
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
范 勇 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 消炎距離 / 振動火炎 / PLIF |
Research Abstract |
本年度行った研究は下記の通りである. (1)異なる活性を持つ表面材料による平行平板間予混合火炎の消炎距離への効果について マイクロ燃焼における壁面による熱・化学的消炎機構を解明するため,同じ石英板にそれぞれアークプラズマ蒸発法により100ナノ程度のNi,Cr,Rhをコーティングし,壁温を制御しながら,異なる活性を持つ表面材料による行平板間予混合火炎の消炎距離への効果を調べた.壁温を上昇させると消炎距離は小さくなり,不活性の材料である石英は比較的活性を持つ金属材料より消炎距離が小さいという事を明らかにした. (2)マイクロ燃焼器内振動火炎の発生機理について 振動火炎の発生機理を調べるため,火炎の伝播速度を高速高感度ICCDカメラで撮影し計測した.火炎の上流への伝播に伴い,伝播速度が除々に減小する事を明らかにした.この結果から振動火炎の火炎温度が,熱損失により低下することがうかがえる.来の火炎観察結果を含め,これにより,マイクロ燃焼器内振動火炎に関する具体的発生プロセスを,着火から,火炎の上流への伝播,壁への熱損失による消炎,自動再着火とモデル化できた. (3)レーザ計測による3次元火炎構造と火炎面温度の測定,およびマイクロ流路内火炎への壁面効果について PLIF(平面レーザ誘起蛍光法)を用いたレーザ計測により,石英製マイクロ燃焼器内部のOH分布を測定し,3次元の火炎構造を構築した.壁温の分布によって火炎面が凹形状であることが分かった.そして,2つの励起レーザ光により得られる火炎の瞬時OH-PLIF画像から火炎面の温度を測定し,熱電対で測定した火炎温度とよく一致していることを示した。
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Research Products
(5 results)