2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10542
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
徳田 栄一 Nihon University, 薬学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 運動ニューロン / スーパーオキシドジスムターゼ / トランスジェニックマウス / 銅 / テトラチオモリブデン酸アンモニウム |
Research Abstract |
【研究目的】 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は手足、呼吸筋を動かすのに必要な運動神経が死んでいく神経難病です。リルゾールはALS患者さん、唯一の治療薬ですが、効果は十分ではありません。このため、リルゾールの替わりとなる新しい治療薬開発が望まれています。 ALS患者さんの運動神経では、金属の銅が増加しています。私は、銅を治療標的とし、銅除去によるALS治療薬開発を目指しています。今年度は、ALSモデルマウスに銅除去薬テトラチオモリブデン酸アンモニウム(TTM)を投与し、治療効果を検討しました。 【研究成果】 TTM投与は、ALSマウスに麻庫が現れてから開始しました。TTM治療をしていないALSマウスでは、ALS患者さんと同じように銅が増加していました。一方、TTM治療を行うと増えていた銅が減少し、正常レベルまで回復していました。ALSマウスの寿命は、TTM治療を行うと、治療をしていないマウスに比較して、11%延長しました。麻庫の進行は、40%抑制されました。 ALSは運動神経が死んでいく病気ですので、TTMに運動神経を保護する作用があるか、運動神経の病理標本を作製して検討しました。TTM治療をしていないALSマウスでは、運動神経は、約50%程度しか、生き残っていませんでした。一方、TTM治療を行うと、運動神経は約75%、生き残っていました。 【結論】 TTMはALS患者さんの新たな治療薬になる可能性があります。
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Research Products
(7 results)