2009 Fiscal Year Annual Research Report
人間の意思決定を支援する,情報可視化技術を用いた対話的なインタフェース
Project/Area Number |
08J10563
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梶並 知記 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 意思決定支援 / 情報可視化 / インタラクティブシステム / 創造支援 / 気づき支援 / インタラクティブインタフェース / 探索的情報検索 / 探索的データ分析 |
Research Abstract |
本年度の目標は、外的情報検索を伴う意思決定における情報分析作業を支援する、汎用的な情報分析インタフェースを構築することであった。本研究で対象とする意思決定は、探索的な外的情報検索と、情報分析を伴って行われる意思決定である。個人で多量の情報を取り扱える現在、意思決定のための情報分析作業中に、意思決定において重要かつ気づきにくい情報を見落とし易いという問題がある。また、ユーザは、外的情報検索と、収集した情報の分析作業を別々に行う必要があった。本研究では、意思決定において重要かつ気づきにくい情報をユーザに提示するほか、情報収集作業と情報分析作業を統合し、ユーザが同一のインタフェース上で両方の作業を行えるようにする。目標を達成するためのサブゴールは、1、意思決定において重要かつ気づきにくい情報の提示を可能にする、2、汎用的なシステム設計のために、インタフェースと検索を行う外部システムを分離するモデルを構築する、である。1、を実現するために、前年度に構築した「キーワードマップ」を拡張した。具体的には、キーワード間の関連性が総合的には弱くとも、関連性に含まれる属性の何れかが強い場合、キーワード間を赤色のリンクで結びユーザに属性名を提示する「気づかせ機能」を実装した。ユーザに多数の選択肢を与え、気づかせ機能が意思決定に及ぼす影響について検証した結果、気づきにくい選択肢に気づかせる効果を示した。2、を実現するために、エージェントアプローチを用いて情報収集エージェントとキーワードマップを連携させ、ユーザの意図に応じた探索的情報検索を可能にした。具体的には、KMキューブと呼ぶ仮想的な3次元データキューブを情報収集エージェントとキーワードマップの間に置き、ユーザの意図がKMキューブへのOLAP操作に対応づけるモデルを提案した。3つの実装システムを提案モデルと比較することで、モデルの有効性を示した。
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