2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10565
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
肖 英紀 The University of Tokyo, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 準結晶 / 近似結晶 / 塑性 / 弾性 / 転位 / 内部摩擦 |
Research Abstract |
本研究は複雑構造を有する金属間化合物である準結晶とその近似結晶中の格子欠陥に関する知見を得ることを目的としている。今年度は昨年度に引き続き、固体中に存在する種々の格子欠陥ダイナミクスに関する情報を得る上で有用である内部摩擦測定を行った。試料として、ブリッジマン法により作製したAl-Pd-Mn系正20面体単準結晶、その一部を粉砕しプラズマ活性化焼結を用いて作製した焼結体、Al-Pd-Mn-Si系2/1近似結晶および1/1近似結晶を用いた。内部摩擦測定には強制振動法を用い、曲げモードで室温から600℃の温度範囲で実施した。本研究によって、準結晶および近似結晶の内部摩擦の温度依存性が大きく異なることが明らかとなった。Al-Pd-Mn系正20面体準結晶においては、100℃近傍および550℃近傍に内部摩擦ピークを観測した。こららのピークは1/1近似結晶では観測されず、2/1近似結晶では非常に弱い強度として観測された。高温側ピークの熱活性化解析から、活性化エネルギーE~4eV、前指数因子τ0=10-20sが得られ、このピークに対応する緩和過程は多数の原子の集団的な運動であることが示唆される。このような緩和過程としては、転位の運動あるいは大域的なフェイゾン緩和が挙げられる。同様の活性化パラメータが種々のフェイゾン自由度の動的観測と対応しており、このピークの起原は集団的に相関を持ったフェイゾンジャンプであることが示唆される。このようなフェイゾン自由度に起因したダイナミクスの存在は、準結晶および近似結晶における塑性変形の微視的機構に寄与するはずであり、本研究の成果は上記課題の解明への足がかりとなることが期待される。
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Research Products
(3 results)