2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市環境騒音の伝搬予測におけるハイブリッド音場シミュレーション手法の開発と応用
Project/Area Number |
08J10568
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朝倉 巧 The University of Tokyo, 工学系研究科, DC2
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Keywords | FDTD法 / 音響振動連成解析 |
Research Abstract |
居室内において静穏を保つために、居住空間への騒音伝搬の予測に関するシミュレーション手法が必要である。本研究では、居住者に与える都市騒音の影響を調べるための、居室内への伝搬騒音に関する可聴化シミュレーション手法の開発を目的とする。シミュレーション手法の開発においては、騒音源から居室内へ至る伝搬経路を外部空間と建築ファサードを介した居室内までの経路とに分割し、それぞれに対して効率的な音響伝搬シミュレーションを併用することによって、最終的に居住者が受聴する伝搬騒音を可聴化する。本年度の成果を以下に示す。 (1)FDTD法を用いて、板の振動伝搬と空気中の音響伝搬の連成解析手法に関する検討を行った。ガラス等の物性値を有する材料の乱入射音響透過損失を解析した。その際に重要と考えられる、ガラス周辺の支持部位における振動エネルギーの吸収を模擬し、実験結果との比較を行った。解析結果は実験結果とよい対応を示したことから、解析手法の有効性を確かめた。 (2)窓サッシ周辺に生じる微細な音響的隙間が遮音性能に与える影響は大きい。微細な隙間を含んだ音場における音響伝搬を計算するために、不等間隔メッシュを用いたFDTD解析に関する検討を行った。実際にサッシに生じる隙間形状を模擬した解析を行い、実際の遮音性能試験結果と比較を行った。解析結果において、実験結果に見られる遮音特性の特徴をよく表現しており、解析手法の有用性を確かめた。 (3)可聴化に必要不可欠である騒音源データの収集を行った。本年度は、道路交通騒音の可聴化を検討の対象としたため、自動車の走行音の収録を行い、可聴化シミュレーションに関するテストランを行った。様々な仕様の窓サッシを模擬した遮音解析結果をもとに、居室内へ透過する自動車走行音の可聴化を行い、遮音性能が異なる場合における透過音の聴感的印象の違いを確認した。
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Research Products
(12 results)