2009 Fiscal Year Annual Research Report
Calpastatin遺伝子改変マウスによるCdk5異常活性化と神経細胞死の解析
Project/Area Number |
08J10574
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 亘 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 神経細胞死 / タンパク質分解 / Cdk5 / カルパイン / カルパスタチン / プロテアソーム / カルシウム / 神経生化学 |
Research Abstract |
Cdk5活性化サブユニットp35の分解機構において、カルシウムが具体的に分解のどの段階に関与するか検討した。はじめに、カルシウムがプロテアソーム活性を上昇させる可能性を考え、脳抽出液におけるプロテアソーム活性についてペプチド基質を用いて検討した。しかし、カルシウムによるプロテアソーム活性の上昇はみられなかった。プロテアソームにはユビキチン化を必要とする26Sプロテアソームとプロテアーゼ部分のみからなる20Sプロテアソームが存在する。カルシウムによって26Sと20Sプロテアソームの割合が変化する可能性を考え、グリセロール密度勾配遠心分離法により26Sプロテアソームおよび20Sプロテアソームに分離して検討した。しかし、カルシウムの有無による割合の変化はみられなかった。これらの結果から、カルシウムはプロテアソーム活性には影響しないことが考えられた。次に、p35のユビキチン化が増加する可能性を考え、免疫沈降法および抗ユビキチン化抗体を用いて検討した。カルシウムを加えてインキュベートした脳抽出液から抗p35抗体によりp35を免疫沈降した後、抗ユビキチン化抗体でイミュノブロットを行ってp35のユビキチン化を調べた。このとき、プロテアソーム阻害剤MG132の有無でユビキチン化を検討した。MG132によりp35の分解が阻害され、ユビキチン化を検出できることが期待される。その結果、MG132存在下でインキュベートした場合では、カルシウムのみを加えてインキュベートした場合に比べてp35のユビキチン化が強くみられた。このカルシウム依存的なp35のユビキチン化の増加については、初代培養神経細胞でも確認した。以上の結果から、カルシウム依存的なp35の分解は、p35のユビキチン化が増加されることで促進することがわかった。
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Research Products
(3 results)