Research Abstract |
平成20年度は,以下の3点を実施した.1,動機の有無を操作できるオペラント条件付けの提案・実施.2,不確実性による動機の定量化と行動解析.3,自由行動下での神経活動の計測. 1,オペラント条件付けの提案・実施 動機の有無に起因する神経活動の変化と,神経回路のスイッチング機構を関連付けるために,ラットで,動機の有無を操作できるオペラント条件付けを実施した.同条件付けでは,ラットが左右の穴を選択し,報酬(ペレット)を確率的に得る.左右の穴で,報酬を得られる確率を固定したトライアルと報酬確率が変動するトライアルを,任意の順序で用意した. 2,ラットの行動解析. 本研究では,動機を行動選択の不確実性として定量的に評価することを試みる.先行研究では,不確実性に基づいた行動解析として,ベイズ推定と強化学習を組み合わせたBayesian Q-learningが知られている.そこで,最初のステップとして,上記のオペラント条件付け時の行動を,モデルフリー強化学習とモデルベース強化学習を用いて解析した.その結果,報酬確率を固定したトライアルでは,モデルフリー強化学習が,モデルベース強化学習に比べて,ラットの行動をよりよく推定した. 3,自由行動下での神経活動の計測 ラットの聴皮質と前頭前野に,微小電極を留置し,自由行動下で神経活動を計測した.聴皮質では,純音誘発性の神経活動が見られた.なお,電極にはニクロムワイヤー線を用いた.今後,1のオペラント条件付け時のラットで,神経活動を計測する.
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