2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト体内動態評価ツールとしての培養細胞利用型on-chip humanの開発
Project/Area Number |
08J10640
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 秀謹 The University of Tokyo, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | On-chip human / マルチコンパートメント / 体内動態 / 培養細胞 |
Research Abstract |
本年度は,前年度に設計・作した3-コンパートメント複合灌流培養デバイスを基礎として,標的臓器由来細胞の毒性応答を可視化する検討を行った.具体的には標的臓器モデル細胞としてラット肺由来L-2細胞肝モデル細胞としてラット初代培養肝細胞,脂肪モデル細胞としてマウス由来3T3-L1細胞をそれぞれ,肺・肝臓・脂肪コンパートメントに播種し,個別灌流路を用いて各コンパートメント内で培養した後,全体灌流路にて複合灌流培養を行った.また,脂肪モデル細胞に関しては分化誘導を行いオイルレッドO染色にて良好な脂肪細胞への分化を確認した2上述の複数異種細胞を各コンパートメントに配置したデバイス内に蛍光性を持ち,肝代謝酵素(CYP3A4)により無毒化される抗がん剤であるイリノテカンを暴露し,72時間後までの物質分布および肺モデル細胞の生存率を蛍光イメージングにより評価した.これまでに,肝モデル細胞の存在によって肺モデル細胞の生存率が向上することを明らかにし,In vivoにおける知見を再現することができた. 培養細胞の人工物による代替にむけて,化学物質の体内分布を大きく左右する脂肪組織を代替する脂質包括カプセルの作製に向けて,東京大学の長棟らによって開発された生体適合性細胞膜修飾剤(BAM)の末端にアミド基を付与したポリマーを調製した.このポリマーをミネラルオイル中に分散させ,アルギン酸溶液を添加することにより初期ミセルを作製後,ポリリジン溶液中に添加することで表層にポリイオンコンプレックス膜を持つ直径50・m程度の脂質カプセルを作製した.
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Research Products
(1 results)