Research Abstract |
陸上植物には,保存型RAB5に加え,植物固有型RAB5であるARA6グループも保存されており,シロイヌナズナにおいて保存型RAB5とARA6の二種類のRAB5が協調し,植物の形態形成や細胞分化などの現象を制御することが明らかとなっている(Ebineら未発表).そこで,私は,ARA6が機能するメカニズムを明らかにすることを目的とし,ARA6のエフェクタースクリーニングと機能解析に着手した.これまで,酵母2ハイブリッド法を用いたスクリーニングにより7つのエフェクター候補を得ており,これらをp_-lant-u_-nique RAB5 ef_-fector(PUF1〜7)と名付けた.平成20年度は,PUF3とPUF2に注目し,解析を進めた. PUF3は,plekstrin-homologyドメインを持ち,PI4Pに親和性があることが分った.また,PUF3は,核,サイトソル,エンドソームに局在し,ARA6の活性化状態依存的にエンドソームに局在するが,ARA6に非依存的にエンドソームに局在化することが分った.以上の内容を第50回植物生理学会年会で報告した. 一方,PUF2は,4つのcoiled-coilドメインを持ち,C末端側はARA6と,N末端側はシロイヌナズナのRAB5 GEFであるVPS9aとの相互作用することが明らかとなったことから,PUF2がGEFとARA6を架橋する分子リンカーとして機能する可能性が示唆された.PUF2はエンドソームに局在し,puf2変異体とエンドソーム/液胞局在型QaSNAREであるvam3の変異体と二重変異体を作成すると,vam3の表現型を昂進することが明らかとなった. 平成20年度はさらに,奈良先端技術大学院大学深尾助教との共同研究により,LC-MS/MS解析を用いたARA6エフェクターの網羅的単離にも着手した.
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