2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスによるASK1活性制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J10673
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 宏彰 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ASK1 / 脱ユビキチンヒ酵素 |
Research Abstract |
ストレス応答性MAPキナーゼ経路の最上流MAPKKKに位置し、様々なストレスに対する細胞応答に重要なセリン・スレオニンキナーゼであるASK1(Apoptosis sign al-regulating kinase 1)は,その酸化ストレス依存的な活性化ステップは解明されつつある。しかし,活性化状態の維持や終結メカニズムは不明な点が多く残されている。私は酸化ストレス依存的なASK1結合分子として同定していた脱ユビキチン化酵素FAF-XによるASK1の活性制御機構の分子メカニズムを明らかにした。FAF-Xは、ASK1のユビキチン様配列を認識し、活性化されたASK1と結合し、C末端のユビキチン化修飾を脱ユビキチン化することを見出した。さらにこのFAF-X-ASK1システムは活性化ASK1を安定化し、ASK1の活性化状態の維持に重要であることを明らかにした。また、FAF-XのノックアウトES細胞では、酸化ストレスによるp38/JNKの活性化が減弱し、細胞死も半減していた。以上の結果から、FAF-Xは、ASK1の活性化状態をfine-tuningすることで、酸化ストレスに対する適切な細胞応答の誘導をアシストしているものと考えられる。ASK1を介する酸化ストレス誘導性細胞死は、心疾患や神経変性疾患などの発症に関与すると考えられており、今回私が明らかにしたFAF-XによるASK1の活性制御機構は、ASK1関連疾患に対する新たな治療ターゲットとなることが期待される。
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Research Products
(3 results)