2009 Fiscal Year Annual Research Report
不注意や多動を示す児童を対象とした学校場面における対人行動改善プログラムの開発
Project/Area Number |
08J10761
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
佐藤 美幸 (野口 美幸) University of Miyazaki, 教育文化学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 不注意 / 多動 / 機能的アセスメント / 特別支援教育 |
Research Abstract |
昨年度までに社会的スキル改善プログラムと攻撃的行動低減プログラムを実施し,その結果をまとめた論文が掲載された。これらの研究結果では機能的アセスメントが有効であることが示唆されていた。そこで今年度はオレゴン大学のスタッフと共に機能的アセスメントについての教師トレーニングプログラムを作成した。プログラム内容の詳細については,オレゴン大学および宮崎大学のスタッフと日米間の文化差について議論を行いながら決定していった。来年度は,関西学院大学において本プログラムを実施し,データを収集する予定である。 また,昨年度から1事例実験デザインの効果サイズを算出する研究をオレゴン大学のスタッフと共同で行っている。特別支援教育の分野においてEvidence-based Practiceの概念が導入され,効果量の算出やメタ分析を実施する重要性が指摘されている。しかし,特別支援教育における介入研究では,1事例の実験デザインを用いることが多いため,1事例の実験デザインを用いた研究の効果サイズの算出やメタ分析が必要となるが,この点に関する研究が非常に少ないのが現状である。そこで,ADHDの子どもの行動改善を目的とした研究45件についてメタ分析を実施した。その結果,行動の機能に着目した機能的アセスメントに基づく介入は機能的アセスメントに基づかない介入に比べて効果サイズが大きいことが示された。この結果は,本研究で作成している機能的アセスメントについての教師トレーニングプログラムの有効性をバックアップするものと考えられる。
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Research Products
(2 results)