2009 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障における外側膝状体の病態機序解明とその治療法の確立
Project/Area Number |
08J10786
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伊藤 保志 Gifu Pharmaceutical University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 緑内障 / 外側膝状体 / サル / マウス / 網膜神経障害 / 小胞体ストレス / 視神経 / アポトーシス |
Research Abstract |
外側膝状体(LGN)は網膜神経節細胞からの視覚信号を視覚野へと中継している領域である。近年、緑内障患者において50%以上の網膜神経節細胞死が惹起されると視野欠損が生じ、さらにその際にはLGN神経障害も伴うことが報告されている。このことから、緑内障の病態解明には網膜だけではなくLGNの変化についても検討することが重要である。しかしながら、緑内障におけるLGN神経障害後の詳細な検討は十分になされていない。そこで本研究は、緑内障病態モデルマウス及びサル視路の神経変性について検討することにより、緑内障の早期発見及び治療法を確立することを目的としている。 本年度は、「マウス網膜障害モデルにおける視神経の形態学的変化の調査」及び「アルゴンレーザー誘発サル高眼圧モデルLGN神経障害に対する小胞体(ER)ストレスの関与」を検討した。マウス視神経において、視神経軸索数の有意な減少がNMDA投与1日後から認められ、その減少の大半はNMDA7日後までに観察された。さらに、アストロサイト及びミクログリアの発現面積がNMDA投与7および28日後に有意に増加した。これらの結果より、マウス網膜障害に伴う視神経障害過程が明らかにされた。また、高眼圧サル視神経投射領域である対側のLGNの1、4、6層及び同側のLGNの2、3、5層において神経細胞数及び細胞体の面積は、アルゴンレーザー照射4週間後から有意な減少が認められた。これらの領域において、ERストレス関連タンパク質がアルゴンレーザー照射11から24週間後に増加した。 これらの結果より、高眼圧サルLGN神経細胞死機序にERストレスが関与していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)