2008 Fiscal Year Annual Research Report
大強度K中間子ビームで探るグザイハイパー核の束縛状態
Project/Area Number |
08J10797
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 智則 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ストレンジネス / ハイパー核 |
Research Abstract |
J-PARC K1.8ビームラインでは、大強度のK中間子ビームと高分解能のスペクトロメーターを用いたグザイハイパー核分光実験(E05)が予定されており、グザイ粒子と核子間の相互作用に関する知見が得られると期待されている。2008年度は、検出器や信号読み出し回路、データ収集ソフトウェアの準備を行った。ビームスペクトロメーターで飛跡検出器として使用予定のワイヤーチェンバーに関して、東北大学原子核理学研究施設で高計数率の陽電子ビームを照射し、データ収集系も含めて動作確認を行った。また、このテスト実験では高エネルギー加速器研究機構で開発された2種類のASICを用いたプリアンプの比較を行った。J-PARCで想定されるビーム計数率の1/3以下ではあったが、得られた検出効率やクラスターサイズから2種類のプリアンプのうち時定数の短いほうは収集される電荷量が少なく、ワイヤーチェンバーの安定動作領域が狭いために、T-PARCで使用するためにはさらなる工夫が必要であることがわかった。このテスト実験に関して2008年秋の日本物理学会で報告し、実験全体の準備状況に関して国際会議PANIC08で発表した。2009年秋にはK1.8ビームラインの調整と、大強度のπ中間子ビームを用いるE19実験が予定されている。研究代表者が担当している検出器・信号読み出し回路・データ収集ソフトウェアはE19実験でも使用されるので、E19実験に関する発表を国際会議SENDAI08で行った。
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Research Products
(4 results)