2009 Fiscal Year Annual Research Report
大強度K中間子ビームで探るグザイハイパー核の束縛状態
Project/Area Number |
08J10797
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 智則 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ストレンジネス / ハイパー核 / J-PARC |
Research Abstract |
J-PARC K1.8ビームラインでは、大強度・高純度のK中間子ビームと高分解能のビームスペクトロメータおよび散乱粒子スペクトロメータ(SKS)を用いたΞハイパー核分光実験(J-PARC E05)が予定されており、この実験ではΞ粒子と核子との相互作用に関する定量的な知見を初めて得ることを目指している。 2009年度はK1.8ビームラインの建設が終了し、検出器・読み出し回路をJ-PARCに搬送し、それらの設置を行った。2009年10月後半からK1.8ビームラインへのビーム供給が始まり、計数率10^5-10^7/spillのπ中間子ビームを利用して各種機器(ビームライン磁石、検出器群を含むスペクトロメータ系)の調整を行った。また、反応標的としてポリエチレンや液体水素を置いて、0.5GeV/cのビームによる(π^-,p)弾性散乱や1.2GeV/cのビームでの(π^-,K^+)によるΣ^-生成反応を用いて、収量が見積もり通りであることやスペクトロメータ系の分解能が要求を満たしていることを確認した。一方、K中間子ビームに関しては、J-PARCは稼働したばかりであるためビームパワーが不足しており、E05実験に必要な強度の100分の1(~10^4/spill)だったため実験開始には至らなかったが、K1.8ビームラインの特徴である2段の静電セパレータによるK中間子純度の向上が確認できた。 また、K1.8ビームラインの実験準備状況およびK1.8ビームラインにおいて最初の実験となるπ^-p→K^-X反応によるペンタクォーク探索実験(J-PARC E19)の概要について国際会議FB19で報告した。
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Research Products
(2 results)