2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユニークな一次構造を有する新奇G蛋白質Rab45の生理機能の解析
Project/Area Number |
08J10800
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新谷 真未 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低分子量G蛋白質 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質はGDP結合型からGTP結合型へ構造を変換し、シグナルを伝える分子スイッチとして多様な生理応答を制御している。申請者はゲノムデータベースから新しいタイプのG蛋白質Rab45を同定し、その解析を通じてG蛋白質が介在する新たな生理応答の解明を目指した。Rab45は既存のG蛋白質と異なり、G蛋白質Rabドメインに加えて、カルシウム結合EF-handドメイン及びコイルドコイルモチーフをもつというユニークな構造を有する。本年度は以下に示す知見を得た。 1.Rab45は乳癌由来上皮細胞株MCF-7においてVACに局在し、VACの形成を促進する 乳癌由来上皮細胞MCF-7を用いてRab45の免疫染色を行ったところ、上皮細胞の細胞極性形成に関与するVAC(Vacuolar Apical Compartment)と呼ばれる細胞内小器官にRab45が局在することが明らかになった。Rab45以外のG蛋白質がVACに局在するか検討したが、各種RabはVACに局在しなかった。さらにVACの形成率は、Rab45の強制発現により顕著に増加したが、他のRabでは影響しなかった。以上より、Rab45が特異的にVACの形成に関与するG蛋白質であることが示唆された。 2.Rab45の各機能ドメインの協調的な働きがVAC形成に重要である Rab45がどのような機構でVAC形成を制御するのか解析するため、Rab45各種変異体を発現させ、VAC形成率を測定した。その結果Rab45は、Rabドメインの活性化に加え、コイルドコイルモチーフ及びEF-handドメインを協調的に働かせることにより、VAC形成を促進することが示唆された。今後は各ドメインへの相互作用因子群の同定などを通じてその分子基盤を明らかにしていきたい。
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Research Products
(2 results)