2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経データにおける情報抽出のための統計解析手法の開発と数理モデル選択
Project/Area Number |
08J10814
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 寛太郎 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神経スパイク統計 / 非定常データ / 点過程 / 多試行データ |
Research Abstract |
本年度は、初年度に開発した多試行神経データの統計解析手法の一部を実際の生理データに適用し、統計解析を行った。そして生理データの解析結果を受けて、数値実験による最適な神経数理モデルの選択を行った。ここでは、解析した生理データの統計的性質を再現できる神経モデルを選択するために、まず神経数理モデルの数値実験を行い、どの程度生理データの統計的性質を再現できるかを検証した結果、従来のモデルでは再現できない統計的性質が存在することを見出した。そして、モデルの簡易性や計算量を維持しつつモデルの改良を行い、統計的性質を再現することに成功した。現在はその結果を受けて生理学的示唆へのフィードバックを目指しその生理学的解釈を行っているところである。 なお、本年度後半は、並行して神経数理モデルの理論研究も開始した。神経スパイクデータに見られる試行間変動が何によって影響を及ぼされているのかを検証する数理研究である。これは、当初の研究実施計画には含まれていなかった新たな研究ではあるが、前年度に開発した統計解析手法を様々な生理データに適用する過程で、神経スパイクの試行間変動が統計的解析の上で無視できないものであり、神経数理モデル構築の上でその生成機構を明らかにする必要が生じてきていると認識したためである。これは、本年度並行して行っている生理データの統計的性質を再現できる神経数理モデルの選択の際にも有用な視点であるということから、決して本来の研究目的から逸脱しないものであると考えられる。
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Research Products
(7 results)