2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規タキキニンペプチド由来の鎮痛薬の開発に関する基礎的研究
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08J10851
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中山 留美 (直野 留美) 宮崎大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 疼痛 / タキキニンペプチド / サプスタンスP / エンドキニンC.D / サブスタンスP受容体 / 消炎・鎮痛薬 / 炎症性疼痛 |
Research Abstract |
炎症や疼痛に重要な役割を果たしているサブスタンスP(SP)はタキキニンペプチドファミリーに属し、SPの受容体に対して高い親和性を有する。また、新たなタキキニンペプチドとしてヘモキニン-1(HK-1)やエンドキニン類(EKs)としてエンドキニンA(EKA)、B(EKB)、C(EKC)およびD(EKD)が同定され、これらもまたSPの受容体に対して親和性を示すことが報告されている。しかし生体におけるこれらのペプチドの機能に関する報告が皆無であることから、疼痛の伝達系での薬理学的効果について検討した。 これまでの研究から、エンドキニンCとDの共通アミノ酸配列からなるエンドキニンC/D(EKC/D)をくも膜下腔に投与するとSP誘発の疼痛関連行動に対して抑制効果を示した。この結果よりEKC/DはSP受容体のアンタゴニストとして作用することが示唆された(Brain Research (2007))。そこでEKC/Dの新たな薬理学的効果を模索するために、炎症性疼痛モデルにて評価した。炎症状態の組織にEKC/Dを皮下投与すると、炎症に伴う浮腫の増加を抑制しただけでなく、炎症部位への侵害性熱刺激に対する反応が緩和されたことから、EKC/Dは鎮痛効果を有していることが認められた。このことにより、EKC/Dは消炎・鎮痛効果を有するペプチドであることが示された。また、この結果により、EKC/Dは中枢だけでなく末梢神経系でも薬理学的効果を発揮するペプチドであることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)