2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規蛍光プローブの開発に基づく、がんの特異的In vivoイメージング
Project/Area Number |
08J10892
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅沼 大祐 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 蛍光プローブ / 分子標的 / がん / pH / 光診断 / 蛍光内視鏡 |
Research Abstract |
がんは1981年以来日本人の死因第1位の疾患であり、微小がんの正確な検出法の開発は医療における喫緊の課題となっている。今までにMRI、PETあるいは超音波などを用いた検出法が報告されてきたが、微小のがん組織を確実に捉えることは難しく、技術開発が望まれていた。光を用いる検出法は0.1mm以下の生体組織も見ることができるなど他の方法に比べ優位な点が数多くあり、新たな検出法として注目されるが、がん細胞に対する特異性に難点があった。 これまで生体内のがん細胞の検出を試みた場合、がんに集積性を持つイメージング剤が用いられるが、全てががんに集積するわけではない。そのため、血中や正常組織などのがん以外の部分に残っているイメージング剤もまたシグナルを発し、がん細胞だけを特異的に検出することは困難であった。そこで、蛍光発光制御原理(PeT機構)に基づいて新たな酸性環境検出蛍光プローブを開発し、Herceptinなどの分子標的薬にラベルして適用することにより、がんの特異的な検出に成功した。この分子標的蛍光プローブは血中や正常組織では蛍光を発しないが、がん細胞に取り込まれ、その細胞内に入った時に初めて強い蛍光を発する機能を有している。すなわち、がん細胞内に取り込まれたプローブはがん細胞の環境を感知して蛍光性化合物に変化し、その結果、がん細胞が特異的に可視化検出できるようになる。この技術により、これまで肉眼で観察が困難であったがんもリアルタイムで確認しながら治療を進めることができ、微小がん細胞の取り残しによる再発を防ぐ事が期待できる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Journal Article] Selective molecular imaging of viable cancer cells with pH-activatable fluorescence probes2009
Author(s)
Urano Y, Asanuma D, Hama Y, Koyama Y, Barrett T, Kamiya M, Nagano T, Watanabe T, Hasegawa A, Choyke PL, Kobayashi H
-
Journal Title
Nature Medicine 15(1)
Pages: 104-109
Peer Reviewed
-
-
-