2009 Fiscal Year Annual Research Report
地中熱総合利用ポテンシャルの把握法及び最適利用法に関する研究
Project/Area Number |
08J10944
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南 有鎮 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地中熱利用 / ポテンシャル把握 / 空調システム / 実証実験 / 数値シミュレーション / 空水冷ヒートポンプシステム |
Research Abstract |
本研究は、自然エネルギー有効利用として年間を通し恒温性を持つ地中温度を利用する地中熱・地下水利用空調システムに着目し、大都市における地中熱総合利用のポテンシャルの把握法及びその最適利用手法を明らかにすることを目的とする。具体的には、(1)地中熱・地下水利用空調システムの適地選定のためのデータベース構築、(2)都心部における導入を想定した実大実験及び数値解析手法の開発、(3)地中熱総合利用(地中熱・地下水)の定量的ポテンシャルの把握および地中熱・地下水利用空調システムの最適運用手法の提案を実施する。この研究は、今まで実験レベルに留まっていた地中熱・地下水利用技術において、更なる実用化および普及のため、定量的な設計・運転手法を確立することに意義がある。本研究期間において国土地理情報(GIS)、水理地質情報、地質年表等を利用し地中熱総合利用の巨視的ポテンシャルを把握する手法を提案し、東京23区を対象とした検討を行った。また、実大実験装置を用いた冷暖房性能実験により、地下環境への影響や省エネ効果を定量的に把握すると共に、実験とシミュレーションの比較により数値解析手法の精度検証を行った。この数値解析手法により、都心部内の地中熱利用による地下熱汚染や地下水位変化などの地下環境の予測は勿論、最大利用可能な採・放熱量を事前に把握することができた。さらに地中熱・地下水利用空調システムの最適利用のため、従来の空冷と地中熱を併用する空水冷システムの開発を行い、実証実験および最適運転手法の検討を実施した。これらの研究成果は、国内外学術発表会および雑誌論文として発表された。
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Research Products
(5 results)