2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミヤコグサにおける根粒形成の全身制御に関わるKLAVIER遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
08J10981
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮澤 日子太 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ミヤコグサ / 根粒形成 / 遠距離制御機構 |
Research Abstract |
ミヤコグサの根粒形成は地上部からの抑制を受けているが、その遠距離制御には地上部で働くHAR1とKLVという2つのLRR-RLKが関わっていることが分かっている。とくにKLV遺伝子に変異の起こったklv変異体では根粒形成数の増加以外にも、地上部の形態形成に多面的な異常がみられる。その形質が変異体アリル特異的なものではなく、普遍的なKLVの機能を反映していることを示すためにKLVのRNAi用ベクターを用いて形質転換体を作成し、またKLV過剰発現体も作成中である。KLV RNAi形質転換体のT1植物では根粒数の増加の傾向がみられるラインもあったが、そのラインは倍数化しており捻性が低く、T2植物での詳細な解析が困難であった。現行法の問題である掛かる時間の長さや倍数化による不稔を回避できるようなミヤコグサ形質転換法の開発に先駆け、ミヤコグサMG-20系統での形質転換体の実生の抗生物質による選抜条件を決定した。これによって形質転換体のスクリーニングが容易にできるようになった。またそれとは別に、ミヤコグサ子葉表皮細胞の一過的形質転換法を開発した。これによってミヤコグサ地上部での迅速かつ簡便なタンパク質局在解析が可能となり、GFPやHAR1-GFP融合タンパク質の蛍光を観察することができた。しかしKLV-GFPの蛍光は観察できなかったため、さらなる解析が必要である。さらに、根粒形成制御に関わるLRR-RLKの分子機構を調べるためにKLV、HAR1のキナーゼドメインの相互作用をY2Hで解析したが、ホモまたはヘテロでも相互作用は検出されなかった。LRRドメインでも同様に検出されなかった。今後はRLK全長を用いた相互作用解析や、ライブラリを用いた相互作用因子の探索をする予定である。
|