2008 Fiscal Year Annual Research Report
戦後台湾の統治体制と台湾原住民族社会の変容:周縁としての組み込み過程の検討
Project/Area Number |
08J11007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松岡 格 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 台湾 / 先住民 / 地域研究 / 社会変化 |
Research Abstract |
本研究では、近代国家が先住民社会・地域をその周縁として組み込んでいく過程について、その戦後台湾における展開に関して、統治者側の政策とフィールド内の人々の経験の両面から明らかにすることを目的としている。この研究目的のため、史資料調査とフィールドワークを組み合わせた現地調査を実施した。 まず調査に関しては、予定よりも多くの現地調査を実行することができた。3回に及ぶ台湾調査(平成20年8月・9月/12月・平成21年1月/3月)では、戦後台湾の原住民行政関連の史料に関して、多くの図書館・史料館をめぐることで、特に台湾省関連に関する新たな史料を発掘することができた。また、同時に、フィールド内での戦後行政経験者の聞き取りに関しても繰り返し実行することができた。どちらも、上記の研究目的から言って、重要な進展となった。また、北京での資料調査でも、台湾で得た史料を補う資料を得ることができた。 次にこれらの調査成果の発表に関しては、まず日本文化人類学会において、戦後原住民政策に関するフィールドでの聞き取り調査の成果を発表した。戦後の「生活改進」運動に関して、それを支えた戦後統治制度の存在について明らかにした。また、台湾における日台台湾原住民族フォーラムでは、戦前の事例を例にとりながらも、主に上記の「周縁としての組み込み過程」の概念について提示し、多くの意見を得た。そして、やはり台湾における台湾史青年学者国際シンポジウムでは、上述のように集めてきた史資料の一部を用いた会議論文を発表した。これは特に戦後初期の原住民行政制度の確立過程について、史料を用いて実証的に明らかにすることができた。調査成果の発表は平成21年度も継続し、集大成として博士論文を完成させる。 なお、国際人類学民族学会議(IUAES)は平成20年7月から平成21年7月へと開催が延期となっており、発表が一年延期となった。
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Research Products
(3 results)