2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病治療薬の創薬標的分子同定を目指したγセクレターゼ基質特異性の解明
Project/Area Number |
08J11023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一色 隼人 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アルツハイマー病 / γセクレターゼ / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
γセクレターゼは、アルツハイマー病(AD)治療・予防薬開発の上で、重要な創薬ターゲットであるが、APP以外にも発生・分化に重要なNotchの切断を担う。したがって、単純なγセクレターゼ阻害はNotch切断阻害による副作用が懸念されている。近年、g-secretaseに『基質特異性』を与える分子機構の存在が示唆され、APP切断特異的な副作用のない新たなAD創薬標的として期待されている。申請者は、γセクレターゼ活性に対し基質特異性を与えうる遺伝子の同定を目指し、ショウジョウバエ培養細胞S2細胞系を用いたRNAiスクリーニングを遂行し、Notch切断を特異的に制御する遺伝子Surf4を同定した。本研究課題では、Surf4による基質特異性に関わる分子機構を解明し、その活性制御による新規創薬機構の発見を目的として研究を遂行した。 本年度においては、S2細胞でSurf4がERからcis-Golgiにかけて局在していることを明らかにした。このときCOPII輸送小胞マーカーと局在が一致したものがあったこと、酵母Surf4が選択的小胞輸送に関与しているという知見から、細胞内輸送に注目し、Surf4のRNAi条件下でAPP、Notchの細胞内局在を検討したところ、APPは正常な輸送を受けているのに対し、NotchはERに留まっていることが確認された。以上のことから、Surf4はERからGolgiへの輸送過程において、Notchが細胞表面膜へ輸送されるのに必要な分子であることが示唆された。また個体におけるSurf4の機能を解析するため、Surf4変異線虫を作出、解析し、Notchシグナルの異常に起因すると思われる表現形を確認した。さらにSurf4欠損マウスの作出を開始した。
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Research Products
(4 results)